パワーインフレ

バトル漫画描こうと思ったらまず気にしなきゃいけないことの一つに
パワーインフレってのがあると思うんだよね
これ意外と人気漫画で多くて例えばドラゴンボールとかブリーチとか
その代表みたいなもんだけど、俺はこれってどうかと思う


強敵を倒したと思ったら全く歯が立たない敵が現れる
それを倒したと思ったらさらに強い敵が現れる の繰り返し。
良く言えばどうやって倒すのか先が気になる展開なんだろうけど
俺の考えとしてはあまりにも単調だしその倒し方も結局無理やりというか
都合良すぎというかそんな感じであんまり好きくないんだよね
しかもパワーインフレをしすぎると、キャラに魅力がなくなっていくと思う
最初は強くてかっこよかったのに、後半になると周りが強くなりすぎて、
やられ要員の情けないキャラになってました、とかそんなのって嫌だ
ドラゴンボールでいえばヤムチャとか強かったのに、サイヤ人来たあたりから
栽培マンとかいう雑魚キャラにやられて、それ以降ほとんど戦わなくなったみたいな
脇役は所詮引き立て役で、主人公がかっこよければそれでいい
そうなのかもしれないけど、俺はそうは思わない
描く以上はちゃんと一人一人のキャラを大事にしたい


それに漫画だからあまり気にしてないけど、ちょっとリアルに考えたら、
そんなに都合良く順番にちょっとずつ敵が強くなっていくとかありえないよね。
普通は強いのがさっさと来て主人公やられちゃう。
漫画だからいいじゃないか、っていう人も大勢いると思うけど、俺はこれが
気に食わない。ご都合主義すぎるのはなんか卑怯な気がする


でも、パワーインフレってバトルものを描くとなると、
これなしでやるのはかなり厳しい、って要素なんだよなぁ
いくらなんでも敵の強さにあまり変化がなければつまらないし、
主人公がいきなり強い敵にやられてしまうなんてあってはならないからね。
だから、そこそこに敵も強いのを出していかなきゃいけないんだけど、あんまり
都合良く順番に強くなっていかずに、しかも過去の強敵があまりに霞むような
パワーインフレをしないように、とすると難しい。


そう考えると、『金色のガッシュ!』ってよくできた漫画だったと思う
これ読んでない人にはわけのわからない話になるから悪いんだけど、
まず100人の魔物の子が戦い合って、数が減っていくっていう設定がよかった
そうすれば必然、最後の方に残るのは強い奴か、特殊な能力を持ってる奴になってくる
これなら段々強い敵や厄介な敵が増えてくるのも説明がつく。
それにガッシュが魔界では弱虫だったという設定も、弱い敵が集まってくる理由になってた。
強い魔物ならわざわざ弱い魔物を潰しに行くこともないし、むしろ強敵を探す傾向にある
でも弱い魔物は、自分より弱い魔物と戦いに行く。だからガッシュに弱い敵が集まる。
人間とパートナーを組むのもよかった。これによって、弱いガッシュ
天才的頭脳を持つ清麿とパートナーになることで戦い抜くことが出来た
人間と魔物の関係や成長を描くことで、話に深みも出た。
作者の雷句さんがそこまで考えて描いていたのかは別として、結果的に
かなり上手い構成になってたと思う。あんなんが描きたいのよ俺…


最近はストーリーなんかどうでもよくてとりあえず主人公がかっこよければ
腐女子に人気出て、それで流行ってることになって今度は「流行り=良い」と
考える人たちが買っていって人気漫画になる みたいな風潮だから売れようと思えば
ひたすら強い敵出して主人公がそれをかっこよく倒し続ける漫画描けばいいんだろうけどさ
そんなしてまで売れたくはないってか、人気はそんなになくても、
しっかり読んでくれる人達の印象に強く残せる漫画が描きたいなあと思う














結論 同人誌で描けよ